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いらんおまけ


  夜、霖之助が起きると、自分の目の前に何か影があった。
 驚き、声を放とうとする霖之助に、影は霖之助の口を手で塞ぐ。
我は天叢雲剣でございますれば
 驚きに息を呑む霖之助の耳元に顔を近づけて、その影、天叢雲剣は、言う。
我が主、森近・霖之助殿。我と契ってくださいませ
 更に、驚愕の顔を浮かべ、どうにか抵抗しようと霖之助は身体を動かすも。
何、痛くはありません。ちょっと、快感を得るだけですとも
「ちょっと待ったーー!! そういう事は私の了解得てか、らだ、ぜ」
私の霖之助さんにな、に
ちょっと、私の許可な、く
 突然窓から魔女が、天井裏から顔を覗かせる巫女が、そして空間から顔を突き出す大妖怪が現れ、
窓から漏れる月光でその影の姿を見て息を潜める。
 そこにいたのは、壮年の男。
……我の名は天叢雲剣。主との契りを邪魔する物は、切る

待て! 店主殿の純潔は、ワシのモノじゃぁぁぁ!

 鋭い眼光に答えるは、土の中から現れた二本の刀を構え、人魂を従える老人。
お、おじい様でもその人のことは渡しません!
 更に天井を斬って表れたるは人魂を従える少女。
その人のことは渡すわけにはいきませんねぇ。天狗たる私の全力を出しても、奪取します!
 屋根を吹き飛ばし月を背景に宙に立つのは、烏天狗の少女であり、呼応して参上する影は四人。
悪いけれど、その店主は私の先約済みなのよ
お嬢様の命令なので、悪いけれど全力でやらしてもらうわ
私にだって、譲れないものはあるんです!
小悪魔の実力の魅せどころですかね
 紅い悪魔が空を飛び、その隣に銀色の瀟洒なる従者が付き従う。
 大地には紅の門番が拳法の構えをしており、その全員の影に隠れながら小悪魔がうろうろしていた。
ソイツを奪うなら、お前らの歴史食らってやるぞ!
師匠! 力を貸してください! 私の、私が望んだ人のために!
可愛い弟子の頼みだものね。仕方がないわ
 更に魔法の森の方向から角を出したワーハクタクが空から現れ、紅い悪魔に対立するような位置で月の兎と月の頭脳が
浮かぶ。
 ここに、登場人物は集結した。ならばやることは一つ。
 ちなみに霖之助は抵抗するも抵抗できぬままになっているようだ。合掌。
なら、何をやるかは決まりだぜ
ええ。でも、楽園の巫女に敵うとでも思ってるの?
あら……。隙間の恐ろしさ、たっぷり教えてあげましょうか?
ワシの剣、全てを切り裂くぞ
まだ未熟者ですが、この腕、恋のために発揮します!
今、鬼とすら渡り合う天狗の全力をお見せしましょう
あら。知らないの? 満月の夜の吸血鬼は、無敵なのよ?
タネも仕掛けもない奇術、堪能するといいわ
今まで磨きぬいた体術の冴え、今こそお見せしますッ
真の名、今こそ開放する時、ですね
歴史を操る私を、舐めるなよッ
貴女たちを、狂気に誘わせてもらいます
月の頭脳、今こそ味わってみる?
来い、天叢雲剣の力、味合わせてやるとも!
 ここに、幻想郷の存亡を左右できる実力者たちの戦いが、始まった。



「…………ハッ!」
 全身に汗をかいているのを確認し眼を開け、霖之助は安堵する。
「……ふぅ。なんだ、夢か」
 満月の光が差し込んでおり、まだ夜だという事に気づく。そして起き上がろうとし、一つの影に手を伸ばし口をふさがれ
た。
「……!」
「……我の名は――」
 霖之助は、外の本に書いたあった文字を思わず思い浮かべてしまう。それは。
 無限ループって、怖くね?


 END