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超えられない関係?

 たまの休みになんとなく研究者仲間のところ行くと妙な女がいた。
 妙というのは決して性格とかではない。そもそも見ただけで性格なんてわかりようがないから言わなくても
それはわかるだろう。
 簡素に簡単に簡便に示すとメイド服を着用している女性が門の前を掃いていたのだ。
 これには軽く驚きを覚える。
 研究仲間、面倒臭いので彼女といおう。
 彼女の友人であるところの彼がしているのなら納得するがまさか彼女が彼以外の人間に家のことをさせる
とは思えない。
 研究者としての観察眼ではなく、男としての勘でだというところが悲しいと自覚はしているような結論だった。
 といつまでも思考に浸っていても何も変わりはしない。
 人生で大事なものは行動である。
 昔誰かが言っていてもおかしくないことを考えながら門の前を掃いている女性へと声をかける。
 そう極めて慎重に好青年であるということを主張しながら。
「やぁそこの綺麗なお嬢さん。私の嫁に来ないかい?」


「………………。ご、ご主人様! 変態です!」


 声と同時に轟音がして意識が瞬く間にブラックアウト。 
 何が起こったのかも理解できないままに闇に沈むとは研究者としてどうなのだろうか。
 
 
 …………。
 起きると目の前に男の顔があった。
 心の中だけで思う。虫唾が走る。科学的に地獄に落ちろ。
「具体的に核の炎に焼かれた後に水爆実験に巻き込まれ宇宙船の炎で生涯を閉じその身体をガス焜炉でこ んがり焼かれて終わり腐れ外道」
「いきなりの挨拶ありがとう。君は非科学的な妄想の産物である幽霊に憑かれて世間から隔離されてくれ」
「幽霊なんているわけがないだろう君。科学者として、というより科学者である君の友人の立つ瀬がないでは ないか」
「はいはい、そうだね。君の中にある常識並みにありえないね」
 全くふざけた男だ。
 常識などという物を信仰しているとは。
 私のように紳士的に理論的に全てを解決できる男になることが一番だと言うのに。
「あ、あの。お気づきになられましたか?」
「あ? おぉ。気づいたみたいだぞ。変態が」
 全く誰が変態だ誰が。
 さて。彼の後ろには先ほどみた絶世の美女であり白魚の肌を持ちそこらの歌手などの声が霞んだ老婆に聞 こえるような声を出しているメイドがいた。麗しい姿である。
「ふむ。状況は把握した。メイド服の君。私と共に科学の最先端で円周率のような長きを共にいることを約束し よう」
 寝ていた状況から置きだして彼女の手を毎秒3mで握り鼻と鼻が2mmになるまで近づいて言う。
 なんて紳士的な対応なのだろうか。これは歴史に残るほどの紳士というものの見本になるだろう。
 理解できないものは哲学的に死を甘受しろ。
「そこの変態。何初対面の奴に愛の告白をしてる」
「愛ではない。これは心を告白しているのだ。そもそも理論的に考えてもみるが良い。私のはこの人が好きだ」
「あ、あの。それ理論じゃ……」
「では哲学だ! そして拒否の言葉がないならばそれは許可なのだね? さぁ共に科学という花道を円周率 のように周り歩こうではないか!」
「我が友セリヌンティウスよ。それは無理だ」
 後ろから女の声がして振り無く。
 この聞き覚えのある声は私の友だとわかる。
 特徴的ではないがわかるのが友という存在であるが故に。
「ああ、我が友メロスよ。何故だ!」
 声のしてきた187度方向へと一気に振り向きつつ、けれど手はしっかりと握り締めたままで振り返る。
 メイド服の彼女の手はやはり滑らかで気持ちがいい。温度が低くおよそ20度なのが気になるところではある が燃え盛る摂氏1万度に達している私の心の前では問題などはない。
 ちなみに振り返ると彼女のような美しさが一遍もない友が立っていた。
 眠たげな目をしているところを見ると睡眠時間は1時間か30分辺りだろうか。紳士な私のように三日ほど睡 眠をとっていないとは思えないが。
「一言での説明か理論証明からの説明か哲学からか数学からか論理からかを希望してくれたまえイスカンダ ル」
「そうだね。どれもこれも魅力に満ち溢れているがここは時間的都合とメイド服の彼女との永遠のために一言 で頼みたいと所望しようかねアーサー」
「永遠とはまた非科学的なことを言うな、曹操殿。では一言で説明してあげよう。気に入らないがね。彼女は私 が製作した人口知能搭載メイドロボだからして結婚は出来ないのだよ」
「無問題だといわせていただく関羽殿。そんなものは関係ない」
「一言で切り捨てるな馬鹿野郎」
「君は君で私と友との崇高な会話に横槍をはさむな。製油された石油を被り灯油を飲み干し海に落ちて汚染を して環境に命を捧げる狂信者に刺されてしまえ」
 さて。これで私とメイド服の彼女との永遠に障害はないな。
「あ、あの」
「何かね? 幸福とは何かを知りたいのかね? 問題ない。私とともにあることが幸福だ」
「いえ、そういうことではなくて」
「お前は彼女の気持ちも考えろ」
「私としては、自分の作った万能ロボはとられたくないな」
 ふむ。
 つまりは、友と彼女の許可をとるべきか。
「よし。とりあえずは君の名前は?」
「え、えと。A−1号です」
「愛君。結婚したまえ」
「え? は、はい?」
「我が友ユダ。君に映画館のチケットをあげよう。ついでにどこぞの高級料理店の10年無料カードをつけよう」
「我が友ロンギヌス。許可するよ」
 問題は零だ。どんなに計算しても問題という問題は一切見当たらない。
 さて。式の準備をせぬばならんな。
「お前らは一度死ねばいいと思うぞ?」
「というか私は結婚とかまだ早いです!」
「時間など不用! 全ては気持ちだ愛!」
「話を聞いてください!」
 彼女の麗しい声が聞こえた瞬間にまたみぞおちに衝撃が走り意識がブラックアウト。
 ふむ?
 今回も理由はわからなかったが、まぁいいだろう。
 式をあげる時間が最低1時間延びただけなのだから。




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